~そうして戦争が終わり、61年が過ぎました。みなさんにとって戦争、回天とは一体何だったと今思われますか?~
(山本)
日本がほとんど負けかかった時に、挽回しようとして考えたのが特攻です。
飛行機は自分の意志で帰ろう思えば帰られるかもしれない。でも、魚雷というのはそれに入ってしまうと、これは、帰ることが絶対にできないんです。
もう100%死の兵器です。
飛行機は500kg位の爆弾ですが、魚雷の場合は1.5tです。だから、当時はどんなに大きな軍艦でもこれ一発で轟沈できた。
この魚雷に人を乗せて眼を付ければ、百発百中できる。これが回天の発想だった。
ところが、人が乗って眼を付けたと思ったけれど、水中では何も見えないし、潜望鏡は水しぶきで曇って見えないんです。
結局、潜水艦を離れて、5分後くらいに一度、浮き上がって、敵を見てぶつかるという感じでした。
そんな感じだから、百発百中ということにはならない。
この兵器は机の上で考えるほど立派な兵器ではなかったという事です。
だから訓練中でもたくさんの人が亡くなるということにもなりました。